私は満員電車で通勤しないことにしています。なぜか。電車に乗るのは通勤のためですが、ファンクションを考えれば、朝のラッシュに無理して電車に乗る必要はないとわかるからです。
通勤のファンクションを分析してみましょう。オフィスへ移動するのは、人や書類などを1カ所に集めたり、オンとオフを切り替えてモチベーションを高めるためです。またオフィスでは上司や部下と言葉を交わしますが、それは情報を伝えたり、相手の体調を察するためです。
それらのファンクションは、「業務効率を上げる」「業務作業を促す」「業務停滞を減らす」という3つに集約できます。この3つを達成できるなら、通勤のカタチにこだわる必然性はない。みんなと同じ時間帯に電車に揺られてオフィスにいくという一般的なカタチから離れて、時差通勤してみたり、場合によっては会社にいかずに家で仕事するという選択肢もありうるはずです。
では朝に通勤せずに、本当に業務成果を出せるのか。私のケースをお話ししましょう。私は毎朝4時に起きて仕事を始め、8時に家を出て近所の喫茶店に向かいます。電源と無線LANが使えるので、喫茶店でもオフィスとほぼ同じ環境で仕事ができます。
その後、電車が空いてきて余裕で座れる10時台になったら、いよいよオフィスに通勤。いわゆるノマド(遊牧民)式なワークスタイルなので、電車に乗っている間も仕事をしています。
会社に到着後は、オフィスでなければ達成できない仕事の指示や報告、打ち合わせなどの作業を片付けます。定時の17時になればいったん仕事を切り上げて帰宅。家で2時間ほど残業して、20時になったら家族とのだんらんを楽しみます。
ノマド環境で移動中も仕事をするなら、結局、会社で働くのとたいして変わらないと考える人もいるでしょう。しかし、実はオフィスにいないことに大きな意味があります。