よく把握していない社員の評価が「真ん中」になりがちな理由

ローレン・B・ベルカー、ジム・マコーミック、ゲイリー・S・トプチック『マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
ローレン・B・ベルカー、ジム・マコーミック、ゲイリー・S・トプチック『マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

業績評価を左右する主観やバイアスには、もう1つある。新米マネジャーや、部下のことをまだ把握できていない上司に多い「中心化傾向」だ。たとえば最低1から最高5までの5段階で評価するとしよう。

部下の目標設定をしていなかった、四半期ごとの振り返りができていなかった、業務記録をつけ忘れていたなど、マネジャーが課題をサボっていたせいで、どういう評価をつけるべきか自信がないとき、真ん中あたりに評価をつけるという雑な仕事をやりがちだ。マネジャーが仕事をしていれば、部下は別の評価点だったかもしれないのに、ひどい話である。

部下を「中心化傾向」の犠牲にすることは、自身のマネジャーとしての信頼性を傷つける行為であり、「部下はどうでもいいから、査定のためにわざわざ資料確認をするまでもない」というメッセージが部下に伝わってしまう。

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