※本稿は、ローレン・B・ベルカー、ジム・マコーミック、ゲイリー・S・トプチック『マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
「会議というのは非常にコストを食う」という現実
一部の企業では電話や会議のない「集中時間」を導入している。一定時間、邪魔されずに自分の業務に集中できる施策だ。もしも1年間、企業や政府が3人以上での会議や打ち合わせを禁止したら、生産性は急上昇することだろう。会議というのは非常にコストを食う。業務から人を遠ざけているのだから当然だ。
会議以外に方法がないか、常に考えるようにしよう。情報共有だけが目的なら、添付ファイルをつけてメールを送っておけばいい話だ。議論や意思決定が必要でも、会議は必須ではない。オンライン上に書類をアップして、コメント機能を使って議論をする方法もある。
最終的な意思決定の場としては使えなくても、事前にこれをやっておけば、会議を短く効率的にできる。ときおりメンバー全員が集まる機会は設けるべきだが、一方的な情報伝達のために集まって会議を開く必要はない。
会議の費用対効果を見積もる
費用対効果の観点から、会議の実施は正当化できるだろうか? 自分を含めて10人が集まって2時間の会議をするとして、会議のコストを計算してみよう。あくまでも試算だが、平均年収を500万円、年間総労働時間を2000時間とすれば、時給換算で2500円。2時間で5000円だから、10人でざっと5万円である。それに会議室の賃料、軽食やコーヒー代などもかかる。さらに部下の一部がこの会議のために拠点から移動している場合には、移動時間分の業務も見積もるべきだ。
さて、冒頭の「費用対効果の観点から、会議の実施は正当化できるだろうか?」という問いに戻ろう。答えが「イエス」なら、会議をやればよい。費用が効果に見合わない場合には、他の方法を考えることだ。