どちらがいいかは結局のところ「好みの問題」に尽きる
SNSなどで盛んに議論されている「S&P500か全世界株式か、どちらがいいのか」についての私の結論は、「それは好みの問題」というものになります。
SNSではS&P500派とオルカン派が互いにマウントをとるような言動も見られますが、あまり意味はありません。世の中には海好きな人もいれば、山好きな人もいますし、インドアを好む人もいればアウトドアが好きな人もいます。
「お前の好みは間違っている」とは誰もいえません。
タイプ別でどちらがおすすめかを決めるなら、
○新しいものが好きで流行に敏感→S&P500
○特定の国より世界や地球全体が大好き→全世界株式
○過去の実績重視→S&P500
○幅広く資産を世界中に分散して投資したい→全世界株式
○アメリカやITが大好き→S&P500
○日本やヨーロッパも好き。新興国にも興味がある→全世界株式
○米国の個別株投資にも挑戦したい→S&P500
○投資のことは何も考えず、ほったらかしで運用したい→全世界株式
といった診断結果になるでしょうか。
「迷うから半々」でもいいのでとにかく投資を始める
迷ったら両方という考え方もあります。
本当に迷っているなら、それでもいいでしょう。
ただし、全世界株式にも米国株が約6割入っているので、S&P500に全世界株式を足すのは、運用資産に占める米国株比率を多少、薄める“気休め”程度の効果しかありません。
S&P500に連動するインデックスファンドをメインで保有したうえで、インドや東南アジア、中国、中東、アフリカなど、これから伸びると思う新興国や新興地域に特化した投資信託やETFを、新NISAの成長投資枠を使って少し買ってみる、という考え方もあるでしょう。
「米国一辺倒は怖いけど、新興国もリスクが高そう」という人は、ヨーロッパなどを含む先進国株式に連動したインデックスファンドに投資するのも一つの考え方です。
ただ、「S&P500か全世界株式かを考えると夜も眠れない」という人は、S&P500を半分、全世界株式を半分でもかまわないと思います。
とにかく投資を始めること。その最初の一歩としてS&P500か全世界株式に連動するインデックスファンドを買うのが最適解であることに変わりはありません。
「見る前に跳ぶ、迷う前に動く」という意味では、2つのインデックスファンドのどちらかを選んで、新NISAで毎月定額つみたて投資するのが基本中の基本なのです。