今後もS&P500が世界最強の株価指数である保証はない
むろん、S&P500が全世界株式よりも成績がよかったのはあくまで過去の話。今後もS&P500が世界最強の株価指数であり続ける保証はありません。
新NISAは20年、30年どころか、100歳まで一生涯、非課税運用を続けるための投資制度です。超長期的な視点で見たら、今後、アメリカに代わって巨大な人口を抱えるインドや中国といった新興国が世界経済の頂点に立っているかもしれません。
S&P500ではなく、全世界株式を選んでおけば、どの国の株式市場の調子がよくても、その恩恵を受けられます。全世界にベット(賭け)しているのでハズれることがない、というのが全世界株式の強みです。
●カントリーリスクで悩まなくていい。国ごとの好不調を考える必要がない
●資産を分散させることが安定運用につながることを説いた「現代ポートフォリオ理論(※)」に近い運用ができる
といった点が全世界株式を選ぶ理由になるでしょう。
※現代ポートフォリオ理論とは、運用資産(=ポートフォリオ)のリターンとリスクの最適解を探るために構築され、1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ氏が提唱したもの。
オルカンでも資産の6割前後は米国株運用になる
とはいえ、全世界株式の株価指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」の2022年9月末時点の国・地域別の構成比率をみると、米国の比率が62%ですから、全世界株式のインデックスファンドに投資していても資産の約6割前後は米国株で運用していることになります。
組み入れ比率の上位企業もアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどの「GAFAM」やエヌビディア、テスラなど米国の巨大IT企業がほぼ独占。
唯一、米国企業以外でトップ10入りしているのは、アップルのiPhoneを製造している世界一の半導体受託製造会社のTSMC(台湾積体電路製造)ぐらいです。