ラスベガスの空港内で働く56歳の男性店員
米ネバダ州のバーガーキングで働く56歳の男性店員に注目が集まっている。27年間、無遅刻無欠席で働いたことを紹介する動画をSNSに投稿すると、瞬く間に拡散。全米から約45万ドル(現在のレートで6700万円)の寄付が集まり、諦めかけていた夢のマイホームを手にすることとなった。アメリカで起きた実話だ。
店員の名前はケビン・フォードさん。USAトゥデイ紙によるとフォードさんは、1995年にラスベガスのハリー・リード国際空港内のバーガーキングで働き始めた。以来27年間、一度も仕事を休んだことがないという。
フォードさんは4人の娘を持つシングルファーザーだ。愛する家族を支えるため、ときに自分の健康を犠牲にしてまで働き続けてきた。背中に走る痛みなど、健康問題に苦しんでいたが、病欠は給料減に直結するため休む余裕などない。経済的にも、肉体的にも限界を迎えていた。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙系列の経済情報サイト「マーケット・ウォッチ(MarketWatch)」は、フォードさんの経済的苦境を取り上げ、家賃や月々の生活費を賄うために休日返上で宅配便の運転手の仕事を掛け持ちしていたと紹介。家を買うことなど考えられなかったという。
だが、一本の動画と、娘のはからい、そして多くの人の共感が、彼の人生を大きく変えることになる。
会社からの贈り物に感謝する動画を投稿
フォードさんがネットで一躍有名になったきっかけは、職場のバーガーキングで渡された小さなギフトバッグだ。長年無欠勤で勤め上げたことへの感謝の印としてフォードさんに贈られた。
ギフトバッグは透明なビニールの袋で、中には数種のアイテムがまばらに入っている。USAトゥデイ紙によると、映画チケット、ペン2本、キーホルダー2個、チョコレートケーキ1個、キャンディー数個が入っていた。米フォーチュン誌は、スターバックスのカップなども入っていたと伝える。