財相の演説は「ブー!」「帰れ!」でかき消される始末

抗議デモは15日に、予定通りベルリンでの閉会の大集会をもって平穏に終わった。主催者側の発表では、ベルリンに集結したのは3万人と、1万台のトラクターやトラック。警備にあたった機動隊が1300人。零下で寒風の吹きすさぶ中での熱いデモだった。

演壇に上がったリントナー財相(自民党)は、農家との連帯を表明しながらも、政府の方針の正当化を試みたため、そのスピーチは「ブー!」と「帰れ!」の声でかき消された。ドイツの昨年の国と州の税収額が、史上最高であったことは皆が知っている。

それでもお金が足りず、増税が行われ、しかも、あちこちの補助金が削減されなければならないのはなぜか?それは、ドイツ国民の生活とはかけ離れた場所での政府の常軌を逸したバラマキ政策のせいであるということを、リントナー氏は言わなかった(もっとも、バラまいている張本人はリントナー氏の自民党ではなく、社民党と緑の党ではあるけれど)。

ドイツの“政変”は刻々と近づいている

折しも同日、昨年のドイツの実質経済成長率が0.3%縮小したというニュースが流れた。インフレで一般消費が縮小、電気代の高騰で製造業が落ち込み、輸出が不振だからだが、G7でマイナスはドイツだけだ。国民の間では、この政府の言う通りにしていたら、大変なことになるという空気が膨らみ始めている。

このまま経済活動が後退すれば、CO2の排出は減少する。そして、さらに緑の党の宿願通り、農地は次第に原っぱになり、農家は、菜種油をバイオ燃料にするため、畑一面に菜の花を咲かせて助成金をもらうのだろう。

今、ドイツには、淡い勃興の雰囲気が漂い始めた。農民に続いて、多くの人々が立ちあがる日が刻々と近づいているように感じる。政府の焦りは大きい。

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