日本が誇るべき自動車文化
実は同様の姿勢を感じるメーカーが日本にはもう一社あり、それは永遠のライバルたるコンパクトカーメーカー、スズキ株式会社です。
同社もまたコスパに並々ならぬこだわりを持っており、ダイハツに負けず劣らず。ただし、体質はどこか異なっており、ダイハツがどこか関西系のノリを感じさせるのに対し、スズキには風光明媚な浜松の明るさを想起させます。
いずれにせよ日欧米、最近では韓国や中国も行っている自動車づくりにおいて、ここまでコストに重きを置いているメーカーはないような気がします。一見中国は安いクルマを作りそうですが、なんだかんだ大型車指向ですし、韓国もまた行けば分かりますが欧州車チックなクルマがウケています。
そしてこの日本ならではの軽・短小&コスパ指向のものづくりは決して間違っているとは私には思えないのです。それどころか日本が誇るべき文化なのではないかと。
日本のものづくりは貧乏臭いという欧米志向の同業者もいますが、そのコスト追究姿勢が悪ければ全国展開する大手家具・インテリアメーカーも100円ショップもすべて悪になります。安くてうまいファミリーレストランチェーンも全く同じです。大衆を睨んだコスパ追究はこの時代にあって大切な企業姿勢ではあると思うのです。
ただし今回はやり方が間違っていた。追い込まれ過ぎていた。ある種のタガが外れ、さらに日本の性善説に基づく認証制度に甘えて30年以上も虚偽を続けてしまった。
そう簡単に間違いが正せるとは思いませんし、罪は重い。しかし自分はなんとか日本が誇るこの大衆的コスパ自動車メーカーの復活を願う限りであります。