「私、チームに貢献できていません」

面談者:「先生、私、あまりチームに貢献できていません」「私、ローパフォーマーかもしれません」

このような時、まず確認することは、それが本人の主観(気持ち)だけなのか、実際に上司に注意や指導を受けたのか、ということです。

実際に上司に注意されたのであれば、それが初めてなのか否かは大切なポイントです。昨年のパフォーマンスレビュー(人事評価)でも言われているのであれば、“できていない”状態が長く続いていて、上司も痺れを切らしてきている可能性があります。自分で改善努力するだけでなく、具体的に何をどうすればいいのか、注意をしてくれた上司にしっかり指導を仰ぎ、上司や人事を巻き込む形で対処していくことをお勧めすることもあります。

もし、注意されていないけれど、相談者本人がそういう気がしてしまう場合は、しばらくは仕事ではなく趣味などにエネルギーを向けて様子を見ることを提案しています。

例えば、右ひざを怪我している時に、右足に体重をかける人はいません。杖を使ったり、使わなくてもしばらくはそこには体重をかけず、健康な左足に軸足を置いて生活します。そうしているうちに、自然と怪我も治ってくるものです。

歩いている人の足元
写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです

「流れに身を任せてみる」のも一つの対処法

職場でも同じように、なんだか仕事がうまくいっていないとか、同僚たちとの関係性が少し最近ギクシャクしてしまっているとか、社内で少し逆風が吹いてしまっているときなどは、そこで何かを取り繕おうとジタバタしても、うまくいかないこともあります。その結果、ますます不安になったり悩みが大きくなってしまうこともあります。

それよりも、しばらくは流れに逆らわず身を任せているといいことがあります。何もしていないと気になってしまうから、しばらくの間は仕事以外にエネルギーを向けてみた結果、いつの間にか潮の流れが変わっていたという経験、みなさまもお持ちではないでしょうか。

医療の世界には「経過観察」という言葉があります。何もしないという意味ではなく、自然治癒力で治ることを積極的に待つという趣旨で、研修医時代の私に、ベテランのS先生が教えくれました。経過観察は、このような場合にも効果がある方法です。