必要なものは必要な時に買えばいい

損失回避性について、あるお金持ちの方に見解を求めたところ、「そもそも安く買えなかったことは、損失なのかな?」とバッサリ。

必要なものであれば、必要なタイミングで手に入れるのが最も高い満足感を得られるため、のちに安く売っていたとしても、一切心は痛まないとのことでした。

お金持ちの買い物の仕方や心構えは、根本的に違うことがわかります。

私も損失回避性を利用した広告に振り回されないように徹底したことで、無駄遣いがグッと減りました。

広告を見て感情を揺さぶられたときは、一度立ち止まって、「“絶対に”その先着100名に入らなければいけないのか」「“絶対に”この7日間のうちに買わないといけないのか」と考えてみてください。

迷ったら「絶対に」を考えてみる

“絶対に”と言われると、「それほどではないかな」と自信が持てなくなるものは多く、その場合は広告に踊らされ、浪費の入口に立っていたことに気付きます。

立川健悟『お金持ちは合理的』(すばる舎)
立川健悟『お金持ちは合理的』(すばる舎)

ちなみに、「損失回避性」は消費者側がお得に利用することもできます。先日、洗濯機を買いに家電量販店へ行ったとき、洗濯機コーナーにいた販売員に、「洗濯機か冷蔵庫のどちらかを買おうと考えている」と伝えてみました。すると販売員は、目の前のお客様を失いたくないという思い(損失回避性)がはたらき、販売員のほうから値下げやサービスについての提案をしてきたのです。

人は「お得です」と訴えかけられるよりも、「損しますよ」と訴えかけられたほうが、行動を促されてしまうことがわかります。

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