若者のほぼ2人に1人は職がないのが実態?
中国の若者の失業率は、現在は20%程度の高水準を続けていると言われる。公表の取りやめは、その実態を隠す目的なのは間違いのないところだ。以前から若年層の完全失業率(1週間に1時間でも働けば除外)が20%を超えており、2023年6月の公式統計では過去最高の21.3%となっていた。
もっとも、これは就職活動をしている人を対象にした数字にすぎない。北京大学の張丹副教授は独立系メディア「財新」のオンライン記事で、就職活動をせず親の扶養の下にある若者1600万人を含めれば、若年層失業率は46.5%に達する可能性があると指摘する記事を、7月17日に公開した。
じつに若者の2人に1人は職がないという衝撃の事実を示唆する説である。そしてこの記事はその後、削除された。新たに高校・大学を6月に卒業した若者たちのうち、1500万人ぐらいが新たな求職者として積み増しされるという予想もあったからかもしれない。
こうした状況を考えれば、中国国家統計局の公表取りやめは、起こるべくして起きたと言っていい。
すでに現場ではホワイトカラーの賃下げが本格化したとされる。若年層の実質失業率46%という状態では当たり前と言えるが、内需が低迷する中で「高学歴人材」すら余剰人員となっている。