ペニス・サイズは必ずしも身体の大きさと比例しない
最後に、こんなデータもあるのかということで、世界各国のペニス・サイズを紹介する。データは、上で世界各国の平均身長でも使用したWorldData.infoサイトが10種類の研究結果からまとめたものである。
図表4には、主要国のペニス・サイズについて、原寸(勃起時)と対身長比という2つの指標でOECDとそれ以外に分けて大きい順に国を並べた。
ペニス・サイズについては身体の大きさや体格(BMI)との相関が議論の的となっている。そこで、図表5には、データのある全88カ国について、身長との相関図を掲げている。ゆるやかな相関が認められるが相関度は低い(R2=0.0552)。
各国平均は13.58cmであり、最長はエクアドルの17.61cm、最短はカンボジアの10.04cmである。最長は最短の1.75倍になっている。日本は13.56cmとほぼ世界平均に等しい。なお、原資料によれば、萎えたペニスは9.3cmであり、勃起時はその1.5倍となる勘定らしい。
世界ランキング上位国であるエクアドル、カメルーン、ボリビア、スーダン、ハイチはいずれもラテンアメリカかアフリカの諸国であるが、身長はそれほど高くないのに、ペニス・サイズは大きいという特徴がある。
もっとも世界ランキング下位国のカンボジア、フィリピン、ミャンマー、スリランカはいずれもアジアの諸国であり、身長も低いという特徴が認められる。
身体が大きいからといって必ずしもペニスが大きいわけではなく、対象国の中で最も身長が高いオランダは、ペニス・サイズでは8位に過ぎない。身長の高い北欧諸国は同様の傾向にある。
日本のペニス・サイズは世界61位と60位の米国と並んで、世界の中ではやや小さめの国である。日本人のペニス・サイズはOECD30カ国中でも実寸で25位、対身長比であると20位とどちらかというと小さい方である。もっとも対身長比だと米国人は日本人より小さい。中国や韓国といった東アジア諸国の中で比べると、日本は身長とは異なり、この2国よりやや大きい。
データ出所サイトには、肥満者については、どこまで出っ張った腹を取り除ける処置をするかによって測定結果が左右されるとある。米国人は肥満が多く、日本人は肥満が少ないことを考えると、米国人は測りきれず、日本人の計測の方が実寸に近い値となっている可能性はある。
自計申告は除くとされているが、このようにもともと測定が難しい値であるのに加え、複数ソースの寄せ集めデータであることも踏まえると、そのままうのみにするようなデータではないことは頭に置いてランキングを判断する必要があろう。
その上で特徴点をさらに探ると、OECD諸国の中では北欧諸国やラテンアメリカ諸国が上位で、英語圏諸国が下位という傾向が認められる(カナダは例外)。OECD以外では、ブラジルが大きく、フィリピンが小さいのが目立っている。
ペニス・サイズについては、平均身長におけるベルクマンの法則や経済発展との相関のような何らかの法則性を見いだすことはなかなか困難である。