元日に発生した能登半島地震において石川県の輪島市、志賀町などが震度7だった。周辺の新潟県から福井県にかけての北陸地域全体でも震度5以上が観測された。震度5弱は「大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる」揺れ。統計データ分析家の本川裕さんが、気象庁が公開している1919年以降のデータに基づき震度5以上の地震の回数を都道府県別に集計したところ、驚くべき事実が判明した――。

この50年に、その前の50年と比較して増えてきている地震回数

2024年元日に発生した能登半島を震源とするマグニチュード7.6の大きな地震により石川県の輪島市、志賀町で震度7が観測され、5日時点で240人の方が亡くなるなど甚大な被害がもたらされている。地震発生から1カ月以上が経過したが、なお、避難を余儀なくされている方々が多く、道路、水道などのインフラの完全復旧にはほど遠い。

国の地震予測では能登半島でこうした大地震が起こるとはあまり考えられておらず、あらためて人知を超えた自然災害の脅威を感じさせている。将来予想が難しいなかで、地震に関する過去のデータを振り返ることが重要だと考えられることから、今回は、気象庁が整備している震度データベースで都道府県別の地震回数を整理するとともに今回の能登半島地震と東日本大震災における津波の高さを確認してみたい。

まず、今回の能登半島地震における震度分布を振り返っておこう(図表1参照)。

能登半島は震度6以上、最大震度7の大きな揺れに見舞われたが、さらに広く、能登半島を中心に新潟県から福井県にかけての北陸地域全体で震度5以上の地域が分布していたことが図からうかがわれる。ちなみに震度5弱は「大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる」揺れであり、震度6弱は「立っていることが困難になる」揺れとされている。なお最大区分の震度7は「揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある」揺れとされる。