“難しい話”は相手の理解度を探ることが重要
6.「自分のペースで話す」か、「相手の理解スピードに合わせて話す」か
例:「インターネットとは何か?」を、小学生くらいの子どもに説明するとき
【話のわかりにくい人】
「世界中のコンピュータが、特定の通信方式でつながったネットワークをインターネットと呼ぶ」。これでは、相手はなんのことだかさっぱりわからない。相手の理解の速度を考えないからである。相手は複数のことを同時に理解しなければならないので、話についていくだけで大変である。
【話のわかりやすい人】
「コンピュータってわかる?」から始める。子どもが「家にあるパソコン」とか、「学校で見たキーボードのついている機械」「スマートフォン」などを想像したら、次に「じゃあ、コンピュータ同士って、つながっているよね?」と、メールなどの事例を挙げて伝える。それを相手がわかったら、最後に「そういうコンピュータ同士がつながったものを“インターネット”って呼ぶんだよ」と伝える。途中で相手の理解を確かめるために、「ここまでは大丈夫?」などと聞いて共有することも大切である。
話は相手の理解のスピードに合わせよう。
「こそあど言葉」はNG
7.「こそあど言葉を多用する」か、「こそあど言葉を避ける」か
例:申請書を部長に渡してほしいとき
【話のわかりにくい人】
「これをあの人に渡しておいて」と言う。現在の状況をかなり共有できていない限り、「これ」「あの」がなんだかわからない。「こそあど言葉」とは、「これ」「それ」「あれ」「どれ」に代表されるような指示代名詞の総称で、便利ではあるが、なるべく「こそあど言葉」を避けよう。
【話のわかりやすい人】
こそあど言葉を使用せず、「申請書を部長に渡しておいて」と言う。
8.「話が途中で脱線する」か、「話を完結させてから次の話題に移る」か
例:システムトラブルが起きた際に、役割分担についての話をするとき
【話のわかりにくい人】
「役割分担」を相談している最中に突然、「あ、次のユーザーテストはいつでしたっけ?」と、本来「役割分担」をしたうえでするべき話題を持ち出す。話が脱線すると、そもそもなんの話をしていたかについて立ち返ることが必要になり、時間もロスする。
【話のわかりやすい人】
「ある話題」がきちんと終わってから「次の話題」に移る。わかりやすく話をするには1つの会話を終わらせてから、次の会話を始めなければならない。
相手の立場から、自分の話を見ることができる