「打ち合わせの結果は?」にどう応答すべきか
1.「過程」から話すか、「結論」から話すか
例:「今日の打ち合わせの結果はどうだった?」と聞かれたとき
【話のわかりにくい人】
「最初に今期の売上目標の達成率についての議題がありまして、鈴木さんが達成状況を報告しました。そして次に山下さんからお客さんからのクレームについて相談が……」と、話の過程を一つひとつ述べる。小説や映画など、「過程」を楽しむ場合はいいのだが、これは「わかりやすい話」ではない。多くの場合、仕事において聞き手は過程を知りたいわけではなく、結果を知りたいのだ。
【話のわかりやすい人】
「うまくいきました。部長が指示を出されていた案件は、うちがやることになりました。過程をご説明します。まず……」「イマイチでした。部長の指示通りにいきませんでした。実は……」と結論から話す。
2.「抽象的」に話すか、「具体的」に話すか
例:「仕事の優先度はどのようにつける?」と質問されたとき
【話のわかりにくい人】
「早くやらなくちゃいけない仕事や、大事な仕事、あとは早く片づけられそうな仕事の優先度を高めます」と回答する。これは「早くやらなくちゃいけない」「大事な」「早く片づけられそうな」の中身が判然とせず、話が抽象的でよくわからない。
【話のわかりやすい人】
「まず、タスクを書き出します。それら1つひとつに納期と、重要度を1〜3の三段階に分けて書きます。納期までの日数と、重要度を掛け算して、数値の高いほうから並べます。それを優先度とします」と、具体的に回答する。
「起きたこと」をすべて話す必要はない
3.「自分が話したいこと」を話すか、「聞かれたこと」を話すか
例:「今日はどのお客さんのところに行った?」と聞かれたとき
【話のわかりにくい人】
「A社ではすごい話が盛り上がりまして、よかったです。B社は担当者が不在で、連絡先を教えてもらって、やっとつかまりました……」と、聞かれていない部分についての話が長い。もちろん日常会話としては悪くないが、仕事においては聞き手をイラつかせる可能性もあり、話のわかりやすさはいまひとつである。
【話のわかりやすい人】
「A社、B社、C社を回りました」とだけ、簡潔に答える。話は「聞かれたこと」を簡潔に答えるほうがいい。相手が知りたいことがはっきりしていれば、それに相手が知りたそうなプラスアルファの情報、たとえば「今日訪問した3社のうち、B社とC社はかなり受注の見込みが高いと思います」と、付け加えるのもいい。