相手に応じて「100点の基準」を変えるべき

その多くは、「今の自分の基準」で若手社員を評価してしまうことにあります。

伊藤誠一郎『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(日本実業出版社)
伊藤誠一郎『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(日本実業出版社)

とくに評価が厳しすぎる人に多い傾向として、自らの経験をもとにお客様への対応、コミュニケーション、資料作成、スケジュール管理などそれなりに高いレベルに基準を置いているという点が共通しています。しかし、その基準のまま若手社員の仕事ぶりを測ってしまうと、いろいろと至らないと感じてしまい、辛口な評価になります。

一方、甘すぎる評価の多くは、決して過大評価しているわけではありません。若手社員と今の自分とを比べて「どうせ、たいしたことはできないんだから」という発想から、「この程度で仕方ない」という、ゆるい評価を下しがちです。上司は、自らにこうした傾向がないかどうか、自分を客観的に評価してみてください。

1年目の新入社員には1年目としての100点満点があり、2年目の社員には2年目としての100点満点があります。それは上司の仕事のレベルからすると、場合によっては、わずか10点、20点くらいにすぎないかもしれません。しかし、若手の経験に合った適正な評価をするためには、若手社員の成長度合いを基準にしなければならないのです。

今の時代、今の世の中、今の仕事環境における彼らの100点満点を新たに設定し直さなければなりません。若手社員を適正に評価することで、それが若手にとっても納得感があるものならば、「今の自分には何が足りていなくて、ではどうすればいいか」と自ら考えるようになります。

【POINT】
年次ごとの100点満点を明確にして適正かつ客観的に評価する
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