暴論を吐く若手には毅然とした態度を取るべき

先に③についてから。新入社員からの講師である私に対する反抗でしたが、次のように返答しました。

今は勤務中です。研修は仕事の1つで、会社から新入社員に課された義務です。その証拠に、この一分一秒にもあなたの給料が発生しています。それから学生時代にプレゼンで学んだポイントがあるかもしれませんが、今は社会人です。したがって、その基本を仕事にどう活かすのかを学ばなければなりません。もし自信があるなら、次の実践ワークの中でみんなの良いお手本になってください。

私は真顔で正面から向き合い、このように冷静に説明したところ、その新入社員は10秒ほどの沈黙があった後、おとなしく席に着きました。その後、新入社員は何ごともなかったように受講していましたので、私もとくに神経質にならずにほかの社員と同じようにおだやかに接するようにしました。

支離滅裂な暴論で反抗してくる若手社員には、毅然とした態度をとるのが効果的です。こういうタイプは、うろたえるなど感情の揺れを見せてしまうと、根拠のない自信に火がついて、ますます反抗的な態度を強くしてきます。したがって、言語化力と説明力で客観的に対応しなければなりません。

若手全員に向けたメッセージにするべき

また、反抗してくる若手社員とは1対1のやりとりをしようとするのではなく、ほかの若手社員も含めた全員に対してメッセージを投げかけるイメージを持つようにします。

話をする人のイメージ
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

目の前の相手を何とか説き伏せようとすると、「わかる、わからない」「納得できる、できない」など、どうしても主観的な議論になってしまいがちです。最悪の場合は、水かけ論に発展して収拾がつかなくなります。そこで、ほかの若手社員も視野に入れながら、共通点を意識すると客観的な説明ができるようになります。③の私の例で言うと「仕事」「義務」「給料」「社会人」というキーワードに反映されています。同じように①の例でも対応を考えてみます。

笑顔やお辞儀の練習を繰り返すことは、強要でもパワハラでもありません。お客様に気持ちの良い清々しい対応をすることは、大事なサービスの1つです。したがって、その品質を高めるために練習することは、仕事上の義務になります。しかもその良し悪しを決めるのは、お客様である第三者です。私がお客様の代わりに判断しますから、より高い品質を目指して頑張ってください。

このように毅然と全員に向けたメッセージを投げかけるように対応します。