第三者に向けて説明すべき

②のメールの指摘に対する反抗の例でも、わかりやすい文章を書く目的、それを判断するのは「あなた」ではなく第三者であることを説明します。

こうしてみると、どんな場面でも「仕事」「目的」「品質」「義務」など論点が共通していることがおわかりいただけると思います。反抗的な若手社員への対応は、周りのほかの若手社員への影響も考慮してください。彼らは、上司や先輩がどのような対応をするのかを注意深く観察しています。

もし2年目や3年目にもなって反抗してくる社員がいた場合、その後輩も様子をしっかり見ていますから、上司や先輩が毅然とした態度をとれるかどうかは極めて重要となります。だからこそ、反抗してくる本人だけでなく、広い視野で仕事の本質を説明することが求められるのです。

【POINT】
ほかの若手社員や上司、先輩も視野に入れて毅然とした対応をする

客観的に部下を評価できているか

あなたは、部下の仕事ぶりを適正に評価できているでしょうか?

厳しすぎたり、逆に甘すぎたりしていないでしょうか? 人が人に対する評価ですから、多少のブレが生じるのは当然と言えます。しかし、そのブレがあまりに大きくなりすぎると、部下のモチベーションの低下につながります。若手への評価が厳しすぎると、至らない点ばかりが指摘されることになり、厳しい叱責こそされなくても心が折れてしまいます。逆に、甘すぎると達成感や成長感を持つことができなくなります。

「あの人の下はいいよな……」
「自分なんかいつもダメ出ししかされないよ……」

こんな会話が、若手社員向け研修の休憩時間中によく聞かれます。上司によって部下への評価とその受けとめ方があまりに異なるのは、印象や好みで左右されやすく、主観が強すぎる可能性があります。厳しくされがちな部下が本当に至らない点が多いのであれば仕方がありませんが、同じような行動に対して評価が分かれるのは大問題です。

向かい合う人のイメージ
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

こうした適正を欠く評価は、若手社員の組織に対する不信感につながり、やがて早期離職の理由になることも少なくありません。そこで上司の評価が適正さを欠く場合、大きな原因があることを理解してください。