「家を2つに分ける」という発想

在宅医療の問題もある。昭和の昔、まだ高齢者の人口が少なく国の財政に余裕があった時代は、体調を少し崩しただけでもすぐさま入院の許可がおりた。病院を家代わりに使えたのである。しかし、国をあげて医療費削減の方向に邁進している現在は、入院のハードルがとても高い。

これからの医療・介護は嫌でも自宅(あるいは施設)が舞台になるが、30代で建てた家にその任を負わせるのは少々つらい。元気な人向けに建てられた家と医療・介護が必要な人向けの家では最適な間取りも異なるからだ。