子育て世帯はどんな保険に入るべきか。オフィスバトン「保険相談室」代表の後田亨さんは「世帯主の死亡に備える『収入保障保険』がおすすめだ。年齢を重ねるごとに受け取れる保険金が減る仕組みのため、終身保険よりも保険料が安く済む」という――。(第3回)

※本稿は、後田亨『この保険、解約してもいいですか?』(日経BP)の一部を再編集したものです。

家族が手をつないだ形に切った紙をのせた手
写真=iStock.com/KittisakJirasittichai
※写真はイメージです

入るべきなのは「世帯主の死亡保険」

【登場人物】
オフィスバトン「保険相談室」代表
後田亨

お客様
五十嵐有司:40歳 会社員
五十嵐美香:40歳 パートタイマー
子供(4歳)1人の3人家族

「医療保険」「外貨建て終身保険」「学資保険」など5本の保険に加入中
月々の保険料は約8万円(ドル円の為替レートで変わる)

【後田亨】では、ここからは、「収入保障保険」の契約を見直していきましょう。

【加入中の保険】
収入保障保険
保険金額 死亡時から月額25万円(夫・有司の死亡時、65歳まで)
保険料 月9416円(60歳まで払う)

【五十嵐美香】すみません。収入保障保険って、どんな保険なのでしょうか? 説明してもらっていいですか?

【後田】はい。収入保障保険は、世帯主の死亡に備える「死亡保険」です。名称がわかりにくいですよね。「失業保険かと思った」とお客様に言われたこともあります。

【美香】確かに、そうですね。

【後田】はい、あくまで死亡保険なんです。私は、保険は極力、利用しないほうがいいと考えていますが、それでも必要だと思うのが、子育て中の世帯主の死亡保険です。

なぜなら、現役世代の世帯主の死亡は、めったに起きませんが、万一、起きたときには、大きなお金が必要になるからです。「保険で備えるのに向くこと」の3条件は、「めったに起きない」こと、「自己資金では対応できない大金が必要になる」こと、「いつ起こるかわからない」ことで、世帯主の突然の死亡は、この全てを満たします。