退院できるのに、しない人々がいることを知る
骨折・入院・手術・リハビリを経て、「#医療従事者に感謝」に対する違和感の正体がわかった。そして、私を看てくれたすべての医療従事者に、ここで改めて感謝の意を伝えたい。本当にありがとうございました。
最後に余談を少々。今回の入院経験で若干、違和感を覚えたのが、長期入院者のなかには病院生活を楽しんでいる雰囲気の人が少なからず存在する、という点だ。
今回、私の入院期間は8泊9日だった。仕事があること、さらには貴重な病床を本当に困っている人に譲りたいとの気持ちから、当初3週間~1カ月程度と提示された日程を短縮したのだ。しかし、同様の手術を受けた患者のなかには2カ月入院している人もいた。高齢者のため、私より治りが遅いといった点は考慮すべきだろうが、さすがに8泊と60泊では差があり過ぎる。
1日1回リハビリを受ける、という大義名分はあるものの、リハビリだけなら通院でも対応可能である。だが、同室の人々と仲良くなって茶飲み話をしたり、定期的にやってくる女性看護師が優しく接してくれたり、話し相手になってくれたりするのがうれしいのでは、と感じた。
そうした感情を抱く入院患者はわりと多い、といった話は看護師からも聞いた。実際、退院しようと思えばできないこともないのに、入院の継続を希望する患者もいるという。本人が入院生活を続けたいと言っている以上、病院側も無下に追い出すわけにはいかない。こうした患者に多額の社会保険料が使われている実態も目の当たりにした、今回の骨折騒動であった。
【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」
・コロナ騒動下で流布された「#医療従事者に感謝」には違和感しかなかった。しかし初めての入院生活を経て「#私を担当してくれた医療従事者に感謝」であれば素直に納得できることに気づいた。
・「#医療従事者に感謝」が欺瞞に映るのは、コロナ騒動で勢いづいた一部の医師たちの振る舞いが、極めて傲慢で不誠実だったからである。
・大多数の医療従事者は、見返りや称賛を求めることもなく、目の前の患者に親身に対応している。そのプロフェッショナルな仕事ぶりに敬意を表したい。