一部の不遜な医師が、真っ当な同業者の評判を落とす

このような、傲慢で高圧的な医療従事者が鼻に付くようになり、コロナ騒動の実情を冷静に見極めようとする人々のあいだで、彼らへのヘイトがたまっていったのである。「なんでお前の患者でもないのに、お前は私の人生を不自由なものにするのだ」「医師はまず、自分の患者に向き合うのが仕事だろう。なぜ全国民に対してお前が制限を課すのか」「特別な権限でも持っているつもりなのか? 何様だよ」といった医療従事者への不信感がやがて怒りとなり、SNSやYahoo!ニュースのコメント欄を中心に、彼らへの非難が多数書き込まれるようになったのだ。

これらの動きに気分を害したのか、はたまた引っ込みがつかなくなったのか、一部の医師たちはSNSに「医者に対して文句を言う人間は、体調不良になっても、コロナに感染しても、病院にかかるな!」といった暴論まで書き込むようになる。なんとおごり高ぶった発言であろうか。われわれ現役世代は、数ばかり多い高齢者のために多額の社会保険料を支払っている。医療業界はこの原資により成り立っているのだ。なにが「病院にかかるな!」だ。あなたのような不遜な医者が、大多数の真っ当な同業者の評判を落としていることに気付け。

さらには最近、X(旧ツイッター)を中心に、「真っ当な批判」であっても「誹謗ひぼう中傷」である、といきり立ち、開示請求と訴訟を明言する医師が続出している。被害者モード全開で「39件開示請求」などと述べる者さえ出る始末である。

親身に対応してくれた医療従事者に抱く敬意

今回、入院を経験したことで、このように思い上がった医療従事者はごく一握りであることがよくわかった。私を担当してくれた人々は、いずれも優れた人間性を備えていた。夜間に救急搬送で病院に担ぎ込まれた私は、レントゲンを撮ってくれた技師に対し「夜分に申し訳ありません」と恐縮した。すると技師は「いえいえ、そのために私はいます」とだけ口にして、「はい、息を止めてください~」とスピーディーに撮影をしてくれた。皆、そんな調子なのである。

だから「#医療従事者に感謝」でなく、あくまで「#私を担当してくれた医療従事者に感謝」なのだ。さらに言い換えるなら「#目立ちたがりの医療従事者は黙れ」といったところか。メディアやSNSで傲慢な発言をする、縁もゆかりもない医者からさんざん制限を課されたと感じている人間は、とてもじゃないが医療従事者全般に対して感謝などできない。しかし、自分が直に接し、見返りや称賛などを求めることもなく、ひたすら親身に対応してくれた医療従事者に対しては、人間として心からの感謝、そして敬意を抱くことができるだろう。医師と患者(というか市井の人々)の関係性とは、本来そういうものだと思うのだ。