配属先の上司と相性が悪かったり、担当した顧客がクレーマー気質だったり、異動した直後にその部署が解散になったり。これらは、運と関係があるともいえそうです。

とはいえ、本当に“運が悪い”のでしょうか。

今井さん(仮名/30代女性)のケースを考えてみたいと思います。

「貧乏くじを引いてばかり」と語る30代女性のケース

〈今井さんの場合〉
私は、日本の大学を卒業してから海外留学していた関係で、帰国して就職したときは20代後半になっていました。同年代と比較して社会人経験が浅いこともあり、また、留学経験で培った英語を活かせない部署に配属されたこともあり、年下の同期に引け目を感じながら会社員生活を送っていました。

存在感が薄かったせいなのか、部署(7人)の懇親会で私だけ乾杯のビールがきていないのに、上司が「では、全員に行き渡ったから乾杯しよう!」と言い出したことがありますし、部署のグループラインで私の発信だけ既読スルーが多いようにも感じています。そして、全員が順番に担当するはずの会議の記録簿は、当然のように毎回私が作成するような雰囲気になっています。最近になって、やっと自分の留学経験が活かせそうな商品企画部の海外部門に異動になり張りきっていたのですが、そこでも存在感を示せてはいません。

企画部では2人1組で新企画を進めていくのですが、私はムードメーカーのような存在感のある先輩(女性30代後半)とペアを組むことになりました。最初は、私のアイディアを熱心に聞いてくれるいい先輩だと思っていました。

しかし、私が考えた企画を話すと、「私にまかせて!」などと言い、しばらくすると少しだけアレンジされて、先輩がメインで考えた企画として会議に出てきます。上司が「この企画はいけそうだ」などと言って先輩を褒めると、私は複雑な心境になりますが何も言えません。

一方で先輩はガッツポーズをして私に目配せをしてきたりします。先輩に悪気があるのかどうかわかりませんが、私はいつもモヤモヤした気持ちを抱えています。私は、なんとなくどこへ行ってもパッとしない、貧乏くじばかり引いているような気がします。

通りを歩くビジネスウーマンの背中
写真=iStock.com/monzenmachi
※写真はイメージです

いい未来をイメージすることからはじめよう

今井さんは、環境が変わってもすぐに不満を見つけ出しては、「また貧乏くじを引いてしまった」と嘆いているような状態です。まさに先にお伝えしたような「レッテル貼り思考」をしています。

このような思考を繰り返していると、自分は“いつも貧乏くじを引くタイプ”などというネガティブな自己像を作り上げ、固定化させてしまい、落胆することが増えます。いい未来をイメージできなくなり、把握可能感が育ちにくくなります。

そもそも運がいい悪いというのは、人によって定義やバロメーターが違い、一概に言うことなどできないことです。「運=当てにならない、予測が不可能」といえます。把握可能感を育みやすい「予測が可能」「想定がつく」といった環境とは正反対です。