実用性は皆無なのになぜか欲しくなる商品

ガチャガチャだと欲しくなる不思議さ

現在多岐にわたるガチャガチャ商品の中には、そのまま部屋のインテリアとして飾れるような精密なミニチュアやフィギュア、あるいは実用性のあるポーチやトートバッグなどがありますが、近年増えてきたのが、いわゆる「ネタ系」と呼ばれる、用途不明の不思議な商品群です。

たとえば、奇譚クラブのヒット作である「おにぎりん具」はおにぎりの中にイミテーションの指輪が入っています。ほかにも、「バスの降車ボタン」シリーズなどはバスグッズのコレクターでもないかぎり、部屋に飾りたいと思う人はいないでしょうし、実際に使おうと思っても使える場所は限定されてしまいます。

おにぎりん具4
出典=PR TIMES/株式会社奇譚クラブ

しかし、この商品は“普段押せないボタンを心置きなく押せる”というコンセプトが受けて大ヒットとなり、ガチャガチャ市場でいわゆる「音もの」という新たなカテゴリーができるきっかけとなりました。最近ですと、「妹からの手紙」や「赤の他人の証明写真」「手書きお母さんの秘伝カレーのレシピ」「ギャルが折った折り鶴」などが話題になりました。

ネタ系グッズはSNSで話題にできる

このように、実用性があまりない、芸人の瞬間芸のようなアイテムの存在も、現在のガチャガチャ人気を支える要素です。おそらくこれらの商品がスーパーなどのレジ脇に置いてあっても、多分誰も買わないと思います。しかし、ガチャガチャの商品であれば、先述した「何が出てくるかわからない」というエンターテインメント性が加わり、なんだかわからないけど欲しくなるのです。

もちろん300円という価格も財布のひもを緩めるにあたって許容できるギリギリのレベルと言えます。要らなくなれば友達に「これ、あげる!」とプレゼントしてもいいわけです。

これらの「ネタ系」グッズは、SNSで「こんなの出ちゃいました……」と注目を浴び、会話のネタにしたり、笑いをとるためのコミュニケーションツールとして購入されているようです。