10~40代はスマホで音楽を楽しんでいる

とはいえ、私はもとより、受信料廃止、NHK解体論者だ。ジャニー氏はじめ大手音楽事務所との癒着の温床になっている紅白歌合戦などなくなったほうがいいと思っている。

出演機会を失ったアーティストたちも、このように腐った番組ではなく、別な場にチャンスを求めたほうがいい。あくまで、筋論で、紅白歌合戦の出演者選考において、共犯者のNHKが、被害者であるアーティストに制裁を科すのはおかしいといっているにすぎない。

そもそも、メディア論的に見ても、紅白歌合戦はコンテンツとしてとっくの昔に「オワコン」(誰も見たいとは思わないコンテンツ)だ。過去の記事でも詳述したように、社会の中心となっているミレニアル世代とそれに続くZ世代は、テレビを見ない世代だ。

彼らにとってのメディアは、今や普及率90%を超えるスマホだ。スマホの使い方で多いのがYouTube視聴で、YouTubeで一番見られているのが音楽コンテンツ、つまりアーティストの曲のPR映像や曲そのものの映像だ。彼らは、毎日何度も、飽和状態になるくらい、ひいきのアーティストの音楽と映像をスマホで楽しんでいる。

スマートフォンに表示された各SNSアイコン
写真=iStock.com/Wachiwit
※写真はイメージです

国民に見られていない紅白は廃止でいい

その彼らが、いまさらオワコンの紅白歌合戦で推しのアーティストが出演するのを見たいと思うだろうか。そうだとしても、タイパ(タイムパフォーマンス)を重んじる彼らが、そのアーティストが出演する数分間のために、前後半合わせて4時間25分もの間、テレビの前にじっとしているだろうか。

こう考えれば、この番組の視聴率が落ち続けるのも当然だとわかる。そもそも視聴率とは、全世帯にテレビがあることを前提としているが、ミレニアル世代やZ世代では、テレビを保有しない世帯が増えてきている。また、NetflixやAmazonプライムのように視聴率では把握できない動画配信の視聴時間も激増している。視聴率はもはや一般大衆の視聴実態を示していない。ようするに、紅白歌合戦は、視聴率が示すほどには見られていないのだ。

大晦日に一家が揃って、遠くにいる家族も帰省してきて、一緒に紅白歌合戦を見るというのはもはや昭和レトロの世界だ。令和では、仮に一家が揃っても、スマホでSNSをやるか、ユーチューブを見るか、テレビ機器で見るのもNetflixかAmazonプライムの動画だろう。もともとオワコンで、音楽事務所との黒い関係の温床となっているとすれば、NHK紅白歌合戦は廃止でいいのではないだろうか。

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