橘・フクシマ・咲江氏が「依頼状」を添削!

×BEFORE

(1)メールはどこに転送されるかわからない。難しい依頼であればあるほど、差し障りのない件名にしたい。

(2)相手の立場になったとき、どう思うか。まずは不躾な連絡の非礼をわびるべき。

(3)機密性のある内容を最初から明かすべきではない。面談後に相手の意向を探りながら、徐々に詳細を明かすのがマナー。

(4)金額などは先方の期待値と大きく異なっている場合、大変な失礼になる。交渉の段階に入ってから、電話や面接で相手の要望を確認したうえで伝えるべき。

(5)これでは関心のない人は決して連絡しない。誰でもいいのだろうと思われてしまう。次に繋がる結語を選びたい。

AFTER

(1)立場をわきまえてとにかく丁寧に
こちらは「お願いする」立場。どんなに魅力的な案件でも、相手に押しつけてはいけない。些細な点も気にかけるべきだ。

(2)だらだらと書くよりURLを貼り付ける
定型文を書き連ねるよりリンク先を参照してもらったほうが、受け手にとっても詳細がわかり、情報量が多く役に立つ。日本での長年の実績を紹介することで、会社に対する信頼を得る。

(3)「マスメール」と思われない工夫
「マスメール」だと思われたら読んでもらえない。なぜあなたでなければいけないのか。その背景と理由について書けば、熱意が伝わる可能性は高い。そのための事前リサーチも必要。

(4)情報を出すのは面談を経てから
相手の人柄も意向もわからない段階では情報は出せない。メールは用件を書き残すには便利なツールだが、人間としてのコミュニケーションに必須の細かいニュアンスをやり取りするには適さない。

(5)「お願い」の姿勢は最後まで崩さない
こちらの都合で「お願いをしている」ということを忘れてはいけない。

日本コーン・フェリー・インターナショナル会長 橘・フクシマ・咲江
ハーバード大学教育学、スタンフォード大学経営学修士課程修了。1991年コーン・フェリー・インターナショナル入社。2000年社長。09年現職。米国本社、ソニー等の取締役歴任。
(鈴木 工=構成 星野貴彦=事例作成 永井 浩=撮影)
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