栄養過多より栄養不足のほうが問題

これは統計でも明らかになっていますが、過激なダイエットをする必要は全くありません。

「健康維持のためにダイエットしよう」という考えはナンセンスです。

オーバーウェイト
写真=iStock.com/FredFroese
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最近、東京都医師会も、高齢者はメタボを気にするより、フレイル(虚弱)予防を考えるようにとホームページで呼びかけるようになりました。

高齢者にとって、栄養過多より栄養不足のほうがよほど大きな問題だ、ということです。

世界的な人気を誇るアクションスター、ジャッキー・チェンなどの老化予防の主治医を務めている、アンチエイジング研究の世界的権威であるフランスのクロード・ショーシャ博士も、やせることを第一とはしていません。

博士は、やせることよりも「食べても太らなかった時代の身体」に戻すことを重視しています。

「やせにくい体質」は老化が進んだ証拠

ショーシャ博士の方法では、「1カ月で10キロ痩せた」といった、よくある広告のようなやせ方は目指しません。

今まで通りに食べながら、体重を維持したり、少しずつ痩せつつ理想的な身体を目指す。それがショーシャ博士の独自メソッドです。

博士はダイエット「だけ」だと人間にとってはマイナスだと考えています。

30代半ばを過ぎると、若い頃と同じように食べていれば体重は増えます。それは、若い頃は健康に活動していた臓器や細胞の機能が低下して、脂肪をため込みやすくなったからです。

やせにくい体質は老化が進んだ証拠なのです。ですから、高齢者はダイエットなどを考えず、多少太ったとしても栄養をとるべきなのです。