「変わらぬ日本企業」にNOを突き付けている
ゴールデン・パラシュート(金の落下傘)やティン・パラシュート(ブリキの落下傘)は、大量の株式保有に備えて、企業の経営陣の解任に対して巨額な割り増し退職金を払う契約を設けておくことで、一般従業員に対する割り増し退職金をティン・パラシュート(ブリキの落下傘)という。
シャーク・リぺラント(サメ除け条項、別名:モーゼの靴底)は事前に定款に各種の規定を設ける戦術で、スタッガードボード(役員改選コントロール)は、全取締役が一度に選出されないように役員の改選時期をずらして部分的に選任を行うもの。スーパーマジョリティー(絶対多数規定)は、会社の支配権の変更に係る合併等の株主総会決議について、株主総会の3分の2あるいはそれ以上を擁するとする定款規定だ。
また、チェンジ・オブ・コントロール(資本拘束条項)は、企業の主要株主の異動や、経営陣の交替の際に、取引先とのライセンス契約や代理店契約等の重要契約が終了したり、長期債務の即時返済が発生したりするような仕組みを、契約の中に盛り込んでおく戦略だ。
日本企業に対するアクティビストの攻勢は、今後、さらに増加することは避けられないだろう。「変わらぬ日本企業」にNOを突き付けるアクティビストの姿は、市場の代弁者の衣を着ている。その是非は個々の投資家の判断に委ねられている。問われているのは古くて新しいテーマである「会社は誰のものか」であり、日本企業の競争力そのものだ。