陸上競技、サッカーは北海道など涼しい地区で開催を
筆者はインターハイの取材を20年近く経験しているが、取材時は滝の汗だ。陸上競技は9~10時に始まり、遅い場合は20時近くまでかかる。暑さで体力をかなり削られるので、ホテルに戻るとクタクタだ。選手だけでなく、関係者のダメージも相当に大きい。
陸上競技、サッカーなどは北海道など涼しい地区で原則、固定して、スポーツの聖地化を推し進めていくのはどうだろうか。
参考までに昨年8月の平均気温は東京が27.5度(日最高平均は32.0度)、札幌が22.7度(日最高平均は26.8度)。5度ほど涼しいので、例年通りの時間帯で開催しても、暑さによる体力消耗はかなり小さくなるはずだ。
インターハイや国体は全都道府県から選手、役員、応援などを含めれば、万単位の人が訪れるビッグイベントだ。経済効果を考えて、全国大会を開催したいと考えている県もあるが、夏のインターハイは「暑さ」という課題がある。選手や関係者の健康面を考えると、競技別の分離開催を進めていくフェーズに入ったのではないだろうか。
夏の全国大会は主催者が各競技の実施に必要な条件(施設面、気象コンディション面など)を提示。各都道府県の立候補制にして、健康面を考慮した持続可能な開催地選定をしていただきたいと思う。
競技によっては、高校と中学校の全国大会を同じ場所で連続して開催するのも面白い。日本各地に中高生たちが憧れる“スポーツの聖地”ができれば、それは街の魅力にもつながっていく。工夫次第で夏の全国大会はもっと快適でワクワクしたものになるはずだ。