生理痛で女性は1日4時間失う
損なっているのは経済面だけではありません。第一三共ヘルスケアが行なった「日本人の『痛み』実態調査」(2011年)によると、「生理痛によって、1日当たり何時間失っていると思うか」という質問に対して、女性全体の平均では230分――つまり、約4時間を失っていると感じていることがわかりました。
さらに、「生理痛がほぼ毎月ある」人では平均311分、「生理痛がひどいと思う」人では平均345分と、生理痛の程度が強いほど、損失していると感じる時間が長くなる傾向が見られたのです。生理痛によって、女性は最大で1日6時間もの損失を被っているということです。
先にも述べた通り、日本の労働人口の4割が女性です。日本の経済の半分を支える女性たちの大半が、生理痛や大量出血を抱えているために、日本社会の生産性を大きく損失していることが、数字に如実に表れています。
逆にいえば、女性の生理を健全に保つための社会的なサポート体制を整えたり、企業内の環境整備と男女双方のリテラシー教育を行なうことは、年間7000億近いリターンが得られる投資になるとも考えられます。