コグニサイズでMCIが40%回復

また、運動とゲームを組み合わせた認知機能を高めるトレーニング法が「コグニサイズ」です。

コグニション(認知)とエクササイズ(運動)を組み合わせた造語で、頭で考えながら、同時に体を動かすことで、脳と体の機能を効果的に向上させることができます。コグニサイズを行って、MCIが40%回復したという報告もあります。

コグニサイズは「正解を出そう」とするプロセスが重要です。楽に正解が出るなら、脳の刺激にはなりません。ですから、だんだん難易度を上げていく必要があります。

図表1は、私が主催する佐賀の鎌田塾で行っている「干支」をテーマにした「コグニサイズ」の一例です。レベル1からレベル7までの難易度を設定していて、レベルを上げていくことで、脳トレ効果も高まります。

【図表1】干支のコグニサイズの一例
介護の世話にならない 鎌田式「90歳の壁」を元気に乗り越える5つの極意』より。干支がテーマの「コグニサイズ」の一部。

コグニサイズは、正解を出そうとして、ゆっくり回答していては効果が期待できません。間違えることは気にせず、むしろ間違えるくらいの速さで行うことが重要です。

介護の世話にならない 鎌田式「90歳の壁」を元気に乗り越える5つの極意』を参考に、まずはレベル1からテンポよく始めてみましょう。

野菜と魚が認知症を防ぐ

脳活には食べ物も重要です。私は、腸の働きをよくする「腸活」として1日350g以上の野菜をとることをおすすめしていますが、野菜は認知症予防にも効果的なのです。

アメリカのヴァンダービルト大学の研究では、野菜ジュースを週3回以上飲む人は、1回以下の人よりも、アルツハイマー型認知症の発症率が76%も少ないと報告しています。アルツハイマー病は、脳細胞の慢性炎症がきっかけで起こるといわれていますが、この慢性炎症を野菜の色素成分がもつ抗酸化作用が抑えてくれると考えられています。

野菜ジュースは自分でつくって飲むのが望ましいのですが、忙しい人なら市販の野菜ジュースでもよいでしょう。ただし、糖分のとりすぎを防ぐため、商品を選ぶときは無糖のものにしてください。

魚も認知症予防に効果的な食べ物です。

魚介類の摂取量が多いほど認知症のリスクの低下がみられ、魚をもっともよく食べている人は、15年後の認知症のリスクが61%低下したというデータもあります。魚の油に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が認知症を防ぐといわれています。