妻が探偵事務所を訪れる時点で、夫の浮気はほぼ確定しており、無罪ということはまずありません。調査費用も平均して30万円ほどかかりますから、淡い疑いくらいでは女性も依頼してこない。浮気はしているはずなのに、その証拠がとれないからプロに依頼するんです。ちなみに探偵事務所を訪れる女性は、ほぼ離婚を前提にしています。大抵は離婚の際の慰謝料請求のために相手の女性を確定して証拠をとりたいんです。

実際の調査方法はさまざまです。尾行もしますし、写真や映像、音声もとる。相手の身元を確認して、浮気をしているという決定的な証拠を集めます。

ただ、調査がしにくいのは、すでに奥さんがさんざん旦那を問い詰めた後に依頼してくるパターン。夫の携帯を勝手に盗み見てロックをかけられた、車に自らGPSをとりつけて夫にばれた。こういうことを妻がすでにしつこくしている場合、調査は時間がかかります。男性もすでに十分警戒していますから、尾行も気づかれやすい。なかにはエレベーターのガラスに映る自分のネクタイを直すふりをして密かに背後をチェックしたり、乗った電車の発車間際に急にドアから飛び出て尾行をまいたりする熟練の男性もいます。証拠をとるのに2、3カ月かかったケースもありました。自営業や外回りの営業マンも難しいですね。どこまでが仕事でどこからが遊びなのかがわかりませんから、ずっと見張っていなくてはなりません。一方、調査しやすいのは会社勤務のサラリーマンです。日々の行動がほぼ決まっていますから。

浮気の証拠写真として一番確実なのはラブホテルの出入りの写真です。いくら女性と宿泊しても、普通のホテルやビジネスホテルなら、「何もなかった」といい張れます。仮に女性の家に朝までいても、「仕事の打ち合わせをしていた」といわれたら終わり。頻繁に2人が会っている状況証拠を固めないとダメです。しかしラブホテルは目的が一つですから、これは動かぬ証拠になります。

浮気をする男性の特徴を聞かれることもありますが、一概に言うのは難しい。既婚男性が未婚の女性と付き合うケースが一番多く、年代も20代、30代が多いということはいえますが、共に共通する特徴は、正直なところほとんどありません。イケメンもいれば、頭の禿げたおじさんもいる。外見も性格も所得も職業も、本当にバラバラで千差万別です。だからむしろ怖いくらい。誰でも浮気をしうるんだなと。男なら誰でも、機会さえあれば絶対に浮気をします! これは探偵業をしてきた僕が断言できます。