そしてこう続ける。

「『プライベートなこと』と言いますが、国費を使って新築や改修した建物の用途です。寝室など私的な部屋を非公開にしても、国民は理解してくれると思います。しかし、プライベートを金科玉条にして何も言わないことが前提のように感じます。これでは国民の理解は到底得られません。宮内庁は、秋篠宮ご一家と国民の双方がある程度納得できるような公私の線引きを真剣に検討する必要があると思います」

宮内庁が抽象的な表現や言葉遊びのような言い回しで発信するのは「いまに始まったことではない」と山下さん。ただ今回の発表で山下さんが最も気になったのは、「嘘をついていたのと同じではないか」という、宮内庁がつき続けていた「嘘」だ。

「佳子内親王殿下が改修後の秋篠宮本邸に引っ越さないと決めたのは、工事開始前だと説明したようです。しかし、昨年9月の改修工事終了の際には、『今年度末までにご一家は引っ越す見通し』と各紙が報じています。当然、宮内庁がそのように説明したのでしょうが、この段階で既に佳子内親王殿下は引っ越さないことが決まっていたわけですから、嘘をついたということになります。これには正直驚きました。抽象的であったり、曖昧であったりはしても、嘘はつかないと思っていましたから」

秋篠宮邸の改修の工費は全体で約34億6600万円かかったとされ、改修そのものも国民のウケがよくなかったせいで出てしまった嘘なのか……。

「改修工事が終わった段階では『引越の時期は今はわかりません』などと逃げておけばよかったのかも知れませんが、2022年度で改修工事を終えているので、年度内に引っ越すと言わないとマズいということがあったんでしょうかね」

山下さんに解説をしてもらっても「なんでいま!?」の疑問は消えないが、佳子さまの一人暮らしは結果的にいまの形でよかったのではとも指摘する。

「昨年の改修工事が終わった段階で佳子内親王殿下は27歳ですし、結婚されれば宮邸からお出になるわけですから、佳子内親王殿下のための部屋を作るより、仮住まいのために新築した御仮寓所にそのままお住まいになるのが、経費削減に繋がります。最初からそういう説明をしておけば、多くの人が納得したのではないかと思います。それをなんでこうも納得いかない話になっていくのか……。工事開始の段階で公表すべきだったと思いますが、なんらかの理由でそれができなかったとしても、せめて昨年の改修工事終了の段階で公表すべきでした」

いつやるの今でしょ! は流行語だったが、今じゃないでしょ! というのは疑問ばかりが残る。

(AERAdot編集部・太田裕子)

当記事は「AERA dot.」からの転載記事です。AERA dot.は『AERA』『週刊朝日』に掲載された話題を、分かりやすくまとめた記事をメインコンテンツにしています。元記事はこちら
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