宮内庁は秋篠宮家の次女・佳子さまが、昨年秋に改修が終わった秋篠宮邸には引っ越しせず、仮住まいしていた「旧御仮寓所」に引き続き住み一人暮らしをしていることを公表した。6月30日に行われた秋篠宮家の側近の皇嗣職大夫による定例の記者会見でのことだった。なぜ、いまごろ公表したのか。元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんに聞いた。
「秋篠宮家の次女・佳子さまが一人暮らしを公表」
ニュース番組のテロップを見たときに多くの人の頭に浮かんだのは「なんでいま!?」ではないだろうか。元宮内庁職員で『いま知っておきたい天皇と皇室』(河出書房新社)の著書がある皇室解説者の山下晋司さんも「この発表を知ったときに、“なんだこれは?”と率直に思いました」と話す。
佳子さまが一人暮らしをされている「旧御仮寓所」とは秋篠宮邸の改修のために建設され、一時的に秋篠宮ご一家が住まわれていた場所。改修が終わり報道機関に新しい秋篠宮邸が公表されたのは昨年11月だった。一般的な家族の話で置き換えると「実家の改築が終わったけど、次女だけ仮住まいだったところにそのまま住んでいる」ことになるが、半年以上たったいま正式な発表となった。この背景を山下さんは、こう解説する。
「3月ぐらいから女性週刊誌を中心に佳子内親王殿下が改修された秋篠宮本邸に引っ越さないという記事が掲載され始めました。宮内庁は旧御仮寓所には『私室部分の機能も一部残す』と言うだけで、佳子内親王殿下が旧御仮寓所に住み続けることは明言してこなかった。きちんと国民に説明する必要があると判断したのでしょうが、それでもなぜ“いま?”という疑問は残ります」
公表してこなかった理由に宮内庁があげているのは「セキュリティ上のこと」や「私的なこと」だが、これに関しても山下さんは首をかしげる。
「どこにお住まいかは、プライベートな情報だとか、セキュリティー上の問題があるとかと説明したようですが、皇族方がどこにお住まいかは公の情報です。佳子内親王殿下が都内のマンションで一人暮らしを始めるのであればこの理由は理解できますが、赤坂御用地の秋篠宮邸の敷地内ですから、『セキュリティ上の問題で公表しなかった』という説明は通用しません」