まずは自分の「思い込み」に気づくことが大事

ここまで読んでみて、

「思い込みに気づかなくても、改善できる方法はあるんじゃないか?」

と思った方もいるかもしれません。

しかし結論から言うと、まずは思い込みに気づき、手放さないと、根本的には改善できません。

「本当はそうしたくないのに、どうしてもやってしまう」などの問題行動を繰り返してしまうのです。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

私たちは、意識と無意識によって日々意思決定を行っています。

意識とは自覚していることであり、無意識とは自分自身では気づいていないことです。

この意識と無意識の割合はどれくらいだと思いますか?

実は、意識はたったの1~3%、残りの97~99%が無意識です。

つまり、私たちが意識できているのはごくわずかなのです。

たとえば「分かっちゃいるけどやめられない」悪習慣は、意識の部分では「やっちゃダメ」と分かっているのに、「悪習慣を続けたい」理由が無意識に刷り込まれていて、やめられないのです。

上原千華子『「お金の不安」をやわらげる科学的な方法 ファイナンシャル・セラピー』(日本能率協会マネジメントセンター)
上原千華子『「お金の不安」をやわらげる科学的な方法 ファイナンシャル・セラピー』(日本能率協会マネジメントセンター)

思い込みに気づくことは無意識を自覚することです。

自覚して初めて根本的な問題が見つかり、改善できるようになります。

私は、まず無意識にある思い込みに気づき、どのようなお金の価値観、マネー習慣を作っているのかを冷静に見つめる方法として、「お金の価値観ワーク」をすすめています。

それによって問題を引き起こしている原因を特定して手放します。

今までの金融教育は、理論を中心に行われてきました。

そのため、無意識に問題が潜んでいる場合、正しい知識があっても行動できないのです。

これからは正しい知識に加えて、健全なお金の価値観·習慣を身につけることが求められる時代です。

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