日に日に体調がよくなっていく実感を得る方法

わかりやすく解説するために「運動」を例に挙げましょう。

同じ運動であっても、「健康のためにおこなう運動」と「アスリートが強くなるためにおこなう運動」とは、まったく別物です。

アスリートがおこなう運動は、体への負荷が大きく、医学的にも理にかなったケアをしないとダメージを負う可能性があります。肉体的なダメージだけでなく、つらいトレーニングによって、精神的ストレスを受けることも少なくないはずです。

つまり、特定のスポーツをおこなう能力が高くなっても、健康的にはマイナスになる可能性が高いと推測されます。がまんを強いられるサウナ利用もこれと同じで、健康面から考えればマイナスになるといえるでしょう。

私自身、サウナの習慣を始めた頃は、1回につき3分間入るのが限界でした。かつての私は、サウナに入って3分を過ぎると「気持ちいい」が「熱くて苦しい」に変わってしまう体質だったのです。

しかし、無理なく毎日続けているうちに、サウナの中で「気持ちいい」時間が長くなっていき、現在の1回7分間のルーティンにたどり着いたわけです。

「血管の筋トレ」となるサウナを習慣にするためには、体調がよいときにサウナや水風呂に入ることによって、自律神経に適度な刺激を与え、血液の流れを促進してから、休憩によって興奮状態の体を通常モードに戻し、安定させることが重要です。

そのようなサウナ利用をなるべく毎日おこなえば、生活の中にリズムが生まれて、心の平穏も得ることができると思います。

自分にとってのサウナが、がまんすることのない「お手軽な修行」のようなものになれば、日に日に体調がよくなっていく実感を得られるはずです。

サウナの種類ごとに得られる健康効果

ひと口にサウナといっても、さまざまな種類があります。

最も一般的なサウナは、「ドライサウナ」だと思います。ドライサウナは、その名のとおり湿度が低く、室温は70~100度と高温です。私が毎日利用しているのも、このドライサウナです。

比較して「ウエットサウナ」は湿度が高く、ドライサウナよりも室温が低めのサウナで、「スチームサウナ(ミストサウナ)」や「フィンランド式サウナ」などがあります。

皮膚に塩を塗ることで、浸透圧による発汗を促す「塩サウナ」も、低温のウエットサウナであることがほとんどだと思います。

では、サウナの種類によって、健康効果はどのように変わるのでしょうか?

私は、どのサウナを利用しても受けられる健康効果には大差がないと考えています。

もちろん、湿度や温度が異なれば、体が温まるスピードは変わりますが、その差を気にするよりも、利用者が「気持ちいい」と感じることが何より大切です。

体が早く温まるからといって、高温のサウナが苦手な人がドライサウナにがまんして入っても、少なからずストレスを受けてしまい、健康によいとはいえません。高温が苦手な人は、温度の低いスチームサウナを楽しめばよいのです。

また、同じ施設であっても、男女で設備が異なるサウナもあります。私が通っているジムも同様で、男性はドライサウナ、女性はスチームサウナとなっています。そのため、私の妻は日々スチームサウナを利用しています。

実は、私たち夫婦で先にサウナにハマったのは、妻のほうです。医師の目で妻の状態を見る限り、スチームサウナであっても、その健康効果は大きいと感じられます。

つまり、生活環境の上で利用しやすく、また自分の体に合ったサウナを見つけて、なるべく毎日楽しんで利用すればよいでしょう。