政治家にお任せではなく、自ら考えて行動すべき

榎本博明『思考停止という病理』(平凡社新書)
榎本博明『思考停止という病理』(平凡社新書)

グローバル化が急速に進行している今日、経済だけでなく価値観もグローバル化しており、日本人のなかにも性悪説に染まる者も出てきている。そうした動きは、グローバル化の最前線にいる実業界にも政界にもみられる。

政治も経済も、性悪説に立つ国々や企業とやり合っていくには、こちらも性悪説を前提に警戒心をもって交渉しなければならない。それは必然であり、やむを得ないことであろう。

だからといって、国民の間でも性善説を捨てて性悪説に立って人づきあいをするというのはあまりに淋しいことである。だが、自分たちの生活に大きな影響を及ぼす政治・経済の動きに対しては、お任せの姿勢で受け入れるのではなく、警戒心をもってしっかりと考えて行動するようにすべきであろう。

【関連記事】
だれが何をやっても日本円は紙くずになってしまう…日銀総裁が「東大の経済学者」となった本当の理由
「みんな仲良し」を目指すべきではない…日本の学校の「集団生活」がイジメを生んでしまう根本原因
「今から行くから待ってろコラ!」電話のあと本当に来社したモンスタークレーマーを撃退した意外なひと言
なぜ日本の自動車事故は「アクセルの踏み間違い」が多いのか…「高齢ドライバーの増加」ではない本当の理由
「うちは紙ストローは作りません」岡山の日本一のストロー会社が「脱プラ運動」に真っ向から対抗した結果