いますぐ15分で、完了する

実際に紙に書き出すと、実態の掴みづらかった“未完了”というものが目の前に現れる。それらは、あなたがパフォーマンスを発揮し切れなかった要因のひとつであり、間違いなくあなたから集中力を奪っていたものである。

20個書き切れた場合、「こんなにも未完了を背負って生きていたのか」と、その多さに愕然がくぜんとする。トレーニングを積んでいけば、20個どころか、100個であろうと容易に書けるようになるだろう。

いずれにせよ、未完了は書き出すことでその実態が明らかになる。

書き出した未完了を、どうするか?

上からひとつずつ、完了させていこう。ここで重要なのは、勢いだ。

15分間で、できるところまでひたすら完了に持っていく。「これはあとでやろう」は一旦禁止とし、とにかく上から順番に完了させていく。

しかし、その場では明らかに完了させられないものがある。例えば、夫婦喧嘩中である、500万円の借金がある、いま外出中で家の風呂の排水溝の掃除ができない、実家の両親にしばらく会っていない、などがそれにあたる。この場合、以下のように完了させる。

すぐに完了できない場合の対処法

夫婦喧嘩の場合

いますぐ相手に電話し、可能であれば喧嘩の原因について謝罪する。

真実や正義がどうあれ、喧嘩が起こっていることは事実である。または、こちらが一方的に怒っていたのだとしても、謝罪からスタートする。そのことで、喧嘩の大半は一気に完了に向かっていくことが多い。

どうにも自分の気持ちが落ち着かず、謝罪することが不可能であれば、「分かってると思うんだけど、いま、喧嘩していることについて帰ってからちゃんと話そう」と、喧嘩が起きていることを明確にし、そのことについていつ話し合うのかを決める。少なくとも何もやらずにモヤモヤしているよりは、一旦完了される。

不安な面持ちで電話をかける男性
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多額の借金をしている場合

もし、あなたにいますぐ返せるお金があるのであれば、いますぐに振り込む。ただ、返せないために未完了となっているはずなので、借りている相手にいま電話する。

そして、「あなたからお金を借りていることは忘れていません。返す意思はあるが返すお金がない。確実に返すので、月々の返済額を○○にしてほしい」と、借りていることと返す意思があることを明確にし、相手に伝える。その上で、返済額や返済期間についての提案をする。

もちろん、その提案は相手に断られる可能性もある。

大事なのはうやむやのままにすることなく、明確にすること。そのことで、完了に近づく。これは借りている人だけでなく、貸している人にも共通する。

貸していることが未完了となっている場合、いますぐ電話し、お金を貸していること、返すつもりがあるのかどうかを明確にする。もし、返ってくる見込みがなく、そのことが未完了を引き起こし続けるのであれば、勇気を持って「あれはあげたことにするから、もう返さなくていい」と言ってみてほしい。

もちろん、返ってこないことに言いたいことも山ほどあるだろうが、金額によっては、そのお金が返ってこないことの未完了により、あなたのパフォーマンスを下げられている方がよっぽど高くつく。いっそ諦めてしまった方が、その後のパフォーマンスを考えるとずっとコスパが良い。返せない相手に貸してしまった自身の未熟さを認め、諦める。そのことを完了して前を向いたら、そのくらいのお金はすぐにまた稼ぐことができる。