足かせをはめた状態でスタートしている

このように、未完了は人生のいたるところに発生し、しかも発生していることは本人に感知されづらい。

しかし、それらは確実に頭の中に留まり、然るべきタイミングで現れ、完了されるまでエネルギーを奪い続ける。頭の中に、自分でも気がつかないものから気づいているものまで、未完了が山ほどある人は、目の前のことに集中力を発揮しようとしても、そもそもエネルギーを奪う未完了の方に集中力を奪われる。スタートの時点で、自分の能力の大部分を奪われた状態からのスタートとなる。

これでは、あまりにも足かせが大きすぎる。しかし、多くの人はまさか自分がそんな足かせをはめた状態からスタートしていることにすら気がついていない。

成果の出る人と出ない人では、実はスタートラインが大きく違う。未完了の分だけ、スタートラインは自動的に後ろ側に引かれることになる。

スタート地点に立つ男性の足元
写真=iStock.com/takasuu
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まずは「未完了」を書き出してみよう

では、どのようにすれば未完了を減らすことができるのか。

まずは、自分にどのような未完了があるかを認識することから始めよう。

未完了はおおよそ、先述したとおり

ヒト”(人間関係)
モノ”(使わない物が多い、壊れている、汚れている、残り少ない、複雑になっている)
カネ”(貸し借りがある、不安や懸念がある)

の間で起こりやすい。

このほかに、“時間”という概念もあるが、それは多くの場合“ヒト”の未完了に紐づいていることが多い。ヒト、モノ、カネの領域に発生している未完了をまずは認識するところから始めるために、10分間で紙に書き出してほしい。できるだけ多く書き出したいところだが、まずは20個を目標に書く。書き出す際、最初の方は勢いよく書けるが、10個を過ぎたあたりからネタがつき始める。それでも頑張って捻り出す。

20個くらいなら、確実にある。些細なものでも構わないので、とにかく書き出してみる。