何歳になっても学びは続く

四柱推命も学びました。「お医者さんが、四柱推命ですか」と驚かれましたが、7人の子どもたちがどんな運命を背負っているのか、知りたいと思ってのことでした。習うとこれもおもしろく、奥深い世界でした。私自身は、元来、悪い占いは気にしない性格ですから、実際は、運勢がよくても悪くても、どちらでもいいのですが、自分の人生の指針を決めて、それに向かって動く材料にはなりました。

産婦人科から心療内科に転じた藤井さん。91歳となった今も、新しいことを学び続ける。
撮影=秋月 雅
産婦人科から心療内科に転じた藤井さん。91歳となった今も、新しいことを学び続ける。

娘は誕生日が1日遅ければ大金持ちの運勢だったと、「なぜ1日我慢してくれなかったの」と言い、笑い合ったものです。そんな娘も今では4人を育てる働き者のお母さん。振り返れば、子どもたち7人が7様の、どこも似ていない人生を歩んでいて、とても味わい深い思いです。

過去に学んだことは、その先の人生のどこかで自分を助けてくれたり、思わぬ転機を運んだりします。何より、学ぶって楽しいこと。私が今勉強したいのは「生薬」。もっとくわしくなりたくて、勉強材料を集めているところです。

子どもの「やりたいこと」のために借金をしたことも

やりたいと思うことは、思う存分、自分にやらせてあげましょう。お金をかけるならば、物よりも経験だと思います。

四柱推命の話をしましたが、私は、やりたいと思うことは何でもやってみる性格。それが何につながるか、利益があるかどうかとか、あまり考えることなく、とにかくやってみたい気持ちを止めないことを大切にしてきました。

それは子どもに対しても同じで、子どもがやりたいと望むことはできるかぎり、何でも挑戦させてきました。挑戦することは、生きる強さにつながると思っていましたから、家族の挑戦をどんなときも歓迎してきました。そろばん、ピアノ、エレクトーン、バイオリン、柔道、ハンドベル、絵画教室、塾……もちろんお金がかかりましたが、なんとかやりくりするのが私の役目。医学部と歯学部への進学にも大金が必要で、夫婦で借金をして子どもたちのやりたいことをやらせる子育て時代でした。

今、クリニックを手伝ってくれている次男が、開院の際に、手持ちの事業資金について話しているときに、はじめてそのことを実感したようで、「子どもたちのやりたいことを最優先してやらせてくれていたことを、はじめて知った」と言っていました。