仕事の能率や生産性を高めるにはどうすればいいか。心理学者の内藤誼人さんは「仕事ができる人になりきってしまうといい。ロシア・モスクワ大学のウラジミール・ライコフ氏は、フランスやロシアの著名な数学者になりきって数学の問題を解いてみると、得点がアップすることを確認している」という――。

※本稿は、内藤誼人『ダラダラ時間をリセットする最新心理学BEST60』(春陽堂書店)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/Gins Wang
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クヨクヨと迷うことがあったら「かつ丼」を食べる

やるつもりはあるのに、うまくいくかどうかが不安で、なかなか行動を起こせない、というタイプの人もいるでしょう。

不安が高いため、迷いに迷ってしまう。結果として無意味に時間をつぶしてしまうわけですが、こういうタイプのダラダラをどうにかする方法はないものでしょうか。

もちろん、あります。

その方法とは、ジンクスを持つこと。

「○○すれば、大丈夫」というジンクスを1つ持っておくと、不安を一掃することができ、迷いがなくなってすぐに行動できるようになるかもしれません。

ジンクスを使うというやり方は、プロのスポーツ選手も利用しています。

オランダ・エラスムス・ロッテルダム大学のマイケラ・シッパーズ氏は、サッカー、バレーボール、アイスホッケーのトップ選手197人を対象にして、「大切な試合前に、何らかのジンクス行動をとっていますか?」と尋ねてみました。

すると、80.3%がジンクス行動をとっていることがわかったのです。

また、シッパーズ氏はどんなときにジンクスに頼りたくなるのかも尋ねてみたのですが、「相手が格上」のときにその気持ちが強まることも判明しました。相手が格上のときには、いつも以上に不安が高まりますから、こんなときにはジンクスが有効なのでしょう。

ジンクスというのは、迷信行動ですから、科学的な根拠があるわけではありません。

しかし、どんな行動であっても、「さあ、これで私は大丈夫だ!」と思い込むことができ、不安も打ち消すことができれば、万々歳ですよね。

ぜひみなさんも、自分なりのジンクスを持ってみてください。

クヨクヨと迷うことがあったら、お風呂に入って熱いシャワーを浴びるとか、かつ丼を食べるとか、瞑想めいそうをするとか、どんな行動でもよいと思います。

なお、シッパーズ氏の研究では、一番多いジンクス行動は、「何か特別なものを食べる」でした。197人中66人が、このジンクスを持っていたそうです。

不安な気持ちがあると、どうしても気持ちが前に進んでいきません。

こんなときには、とにかく不安を払拭しないと、一歩も進めずに無意味に時間を浪費することになってしまいます。

不安によってダラダラしてしまう人は、ジンクスによって不安を取り除きましょう。迷ったときには、サイコロに決めてもらう、というジンクスもいいですね。

「奇数が出たら、○○することにする」と決めてしまうのです。運を天にまかせることになりますが、自分で決められないのなら、いっそのことサイコロに決めてもらったほうが、あれこれと悩まずにすみます。