2022年に発生した銃乱射事件は50件
アメリカで銃の乱射事件が絶えない。米連邦捜査局(FBI)の発表によると、2022年に発生した銃乱射事件は50件(前年比11件減)だったが、死傷者数は313人(同70人増)で、18年以降の過去5年で最多となった。
英ガーディアン紙は、非営利団体Gun Violence Archiveのデータを引用し報じている。同記事によると、銃乱射によって4人以上が死傷した事件数は今年、ここ数年で最悪となりかねないペースで増えているという。
直近では5月16日、南西部ニューメキシコ州の荒野に囲まれたファーミントンの町で、18歳青年が凶行に及んだ。米CNNによると、AR-15型ライフルなど銃器3丁を乱射。400mほどのエリアを練り歩いて住人ら3人を殺害し、駆けつけた警官2人および民間人4人を負傷させた。犯人は射殺された。
10日前の5月6日には、隣接する南部テキサス州にて、ダラス郊外のショッピングモールで惨事が発生。現地報道によると、射殺された犯人とは別に被害者8人が死亡した。ニューヨーク・タイムズ紙は、犯行に及んだのは33歳男性で、白人至上主義者だった可能性があると報じている。
繰り返す過ちをなぜ止められないのかと、アメリカ国内からも疑問の声が上がっている。
ある専門家は、危険を感じればその場を離れるという発想がなく、銃で対抗しようと考える特性があると指摘する。米専門家からは、身を護るためにはとりあえず撃ってみた方が良いという「壊れたDNA」が受け継がれている、との厳しい指摘も上がっている。