勉強法の2つの原則

これまで述べたことは、常識的な勉強法とは大分違うので、これで大丈夫か、と思われるかもしれません。あるいは、学校での勉強のカリキュラムを無視していると思われるかもしれません。

しかし、勉強のインセンティブを失わないために大変重要なことです。勉強の最大のインセンティブは、「勉強は楽しい」と実感することです。

勉強は、楽しく面白いものだということが実感できなければ、進みません。勉強が苦しいと思ってしまっては、悪循環におちいります。

これまで述べたことによって、勉強法の2つの原則が浮かび上がってきました。それはつぎのようなものです。この方法の有効性は、算数・数学の場合にとくに顕著です。それだけでなく、他の科目についても有効です。

勉強の原則1
「自分の頭で解法を考えなくてはいけない」という思い込みから脱却する。解き方を覚えて、それに当てはめる。
勉強の原則2
ある程度分かったら、先に進む。知らない概念が出てきたら、百科事典の助けを借りる。

「2つの呪縛」から逃れよ

これを、逆の面から表現することもできます。つまり時間をかけても成果が上がらないのは、つぎのような方法をとっているからです。

野口悠紀雄『超「超」勉強法』(プレジデント社)
野口悠紀雄『超「超」勉強法』(プレジデント社)

①「自分の頭で考えよ」という呪縛から逃れられない。
②完璧主義に陥っている。

基礎を完全にマスターしてからでないと先に進めない。いまのところが分からないのは、その前が分からないからだと考えて、足踏みする。あるいは逆行する。

だからいつになっても全体を把握できず、勉強する意欲がなくなる。そして時間切れになってしまう。このため、勉強は辛い義務だと思うようになり、勉強を嫌々やるようになる。

このような勉強法からはぜひ脱却することが必要です。それによって新しい可能性が開けます。

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