人知れず大金を動かし経済の活性化に貢献
では「本当の金持ち」とは、どういう人たちか。
私が知っているなかで一番の資産家の方を見ていて思うのは、メディアなどで調べても、その存在をほとんど見つけられないことです。
ましてや、彼がどんなふうにお金を使っているかなど、一般の目にはまったく触れることがありません。
もちろん個人総資産が数百億円ともいわれる方ですから、使うべきところでは豪快に大金を使っています。
たとえば、彼は都内にある高級ホテルのスイートルームを、年間契約で借りっぱなし。所有する車5台は全部ベンツ。衣食住、旅行、仕事、趣味などで利用するサービスはすべて最上位クラス……。「普通の金持ち」とは次元が違います。
でもこういった日常を、わざわざSNSやテレビを通して発信し、不特定多数の人に「どうだ」「すごいだろう」と、いいふらすことはありません。
周囲の目に見えないところで、大きなお金を動かすことで経済の活性化に大きく貢献している、という見方もできます。
「陰徳」といいますか、人に知られないように善行を重ねる、そんな謙虚さがあるからこそ、よい報いが確実に現れるのかもしれません。それは“お金冥利”に尽きる使われ方でもあるのです。
なぜ金持ちは「一円玉」でも拾うのか
そんなふうに「本当の金持ち」というのは、人知れず大金を動かしているのですが、落ちていたら一円玉だって拾います。溝にはまっていたら、一生懸命ほじくり出すでしょう。
実際、私は、本当の金持ちのそのような姿を何度か目撃しています。
彼らはそもそも落ちているお金や、落としたお金を絶対に見逃さない。
執着とは違います。なんというか、お金に対する「一途さ」「たくましさ」があるのです。
なぜ、「本当の金持ち」はお金を持っていることを見せびらかそうとしないのでしょうか。
彼らは例外なく、最低でも一回はお金で大きな失敗をしているものです。それでも努力や工夫をして資産を形成していった、そんな経験があるからお金のありがたみが身にしみているのです。
また一方で、お金にまつわる人のいやらしさ、汚さ、醜さのようなものもよくわかっています。だから周囲の反感を買うような目立った行動を慎みます。
そして、
「お金というのは増えるときはジワジワだけれど、減るときは一気にドカンと来る」
ということがわかっています。
日本のバブル崩壊もそうですし、アメリカのリーマンショックもそう。だからこそ、「本当の金持ち」は、多少儲かっても派手に振る舞うことなく、常に慎重な姿勢を崩さないのです。このことは、「それでも稼ぐ人」を目指すみなさんにもぜひ実践してほしいと思います。