インテリジェンス軽視から重視へ方針転換
○オーストラリア=「特別な戦略的パートナー」として、米国に次ぐ緊密な防衛協力関係を構築。
○インド=海洋安全保障をはじめ幅広い分野において二国間・多国間の軍種間交流をさらに深化。
○英国、フランス、ドイツ、イタリアなど=グローバルな課題に加え欧州・インド太平洋地域の課題に相互に関与を強化。
○NATO(北大西洋条約機構)・欧州連合(EU)=国際的なルール形成やインド太平洋地域の安全保障に関して連携強化。
○カナダ、ニュージーランド=インド太平洋地域の課題への取組のため連携を強化。
○北欧、バルト三国、中東欧諸国(チェコ、ポーランドなど)=情報戦、サイバーセキュリティーなどの連携強化。
○インド=海洋安全保障をはじめ幅広い分野において二国間・多国間の軍種間交流をさらに深化。
○英国、フランス、ドイツ、イタリアなど=グローバルな課題に加え欧州・インド太平洋地域の課題に相互に関与を強化。
○NATO(北大西洋条約機構)・欧州連合(EU)=国際的なルール形成やインド太平洋地域の安全保障に関して連携強化。
○カナダ、ニュージーランド=インド太平洋地域の課題への取組のため連携を強化。
○北欧、バルト三国、中東欧諸国(チェコ、ポーランドなど)=情報戦、サイバーセキュリティーなどの連携強化。
日本はこの五つの力を使って中国やロシアなどに対抗すべく同志国を増やしてきた。その実績を踏まえて2022年12月、国家安全保障戦略を全面改訂し、外交、軍事、経済、技術だけでなく情報、つまりインテリジェンスも重視すべきだとしたのだ。インテリジェンスを軽視してきた戦後日本にあって、これは画期的だと言ってよい。
政治家の質がインテリジェンス活用の鍵
関連して2022年4月、政府与党の自民党安全保障調査会(小野寺五典会長)は「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」と題する報告書のなかで、国家としての対外インテリジェンス機関「国家情報局の創設」を提案している。
このように日本でも対外インテリジェンス機関創設に向けた動きが本格化しているが、前述したように、いくら優秀な調査・分析ができるようになったところで、政治家の側がそれを使いこなす大局観、能力がなければ宝の持ち腐れになってしまう。戦前の日本外務省が作成した『米国共産党調書』を、当時の日本政府も日本軍首脳も活用しなかった。
本書を通じて戦後、ほとんど顧みられなかった戦前の我が国の対外インテリジェンスに対する関心が高まり、日本の機密文書を踏まえた「インテリジェンス・ヒストリー」が発展していくことを心より願っている。