レバレッジを掛けまくった
時価総額が1兆円を超えると、バンクマン=フリード氏はそれを担保にさまざまな金融機関から資金調達を行った。これがFTXトークンをFTXのバランスシートに組み入れた狙いであった。
そして、彼はレバレッジを掛けまくった。株取引で信用取引をされている人も多いと思うけれど、100万円を入れたら3倍の300万円までは取引が可能だ。FXではマックス25倍までが許されている。
大谷翔平や大坂なおみがアンバサダーに
バンクマン=フリード氏は、実際にはほとんどゴミのようなFTXトークンをはじめとする暗号資産を元本に資金調達をし、有名人をたくさん起用して大々的なキャンペーンを張った。
派手なCMを打ったり、スタジアムのネーミングライツを買ったり、eスポーツチームのスポンサーになったり、超大盤振る舞いをした。
メジャーリーグの大谷翔平選手やテニスの大坂なおみ選手がFTXのアンバサダーに就いていたのを覚えている人も多いはずだ。
バンクマン=フリード氏はFTXトークンの価格が下落すると、自社取引所FTXに投資家たちが預けている暗号資産にまで手を付けた。
最初に仲間内でつくった空箱スキームを詐欺レベル1とすると、価値のない資産で資金調達を行ったのは詐欺レベル2だろう。
さらに、顧客資産を担保に、資金調達やレバレッジを掛けたのは、詐欺レベル3にあたる。バンクマン=フリード氏とFTXは“三重”の詐欺を行っていたのである。