今すべきは情報収集

仕事、子育て、日々の生活に追われ、オムツを替えながら、宿題を見ながら、生ゴミを捨てる生活を送りながら、現在進行形で「緊急でない重要なこと」を「今」考えて話すのがつらいのよ。それが「夫婦関係の壁」を巨大化させないために重要だとわかっていたとしても、できない。そんな夫婦も多いと思います。

それなら「今」は、石を細かく取り除き「夫婦関係の壁」の巨大化を防ぎながら、夫婦関係の方向性を見つけるための情報収集期間(モラトリアム)にしたらいいのではないでしょうか。

石の壁
写真=iStock.com/Turnervisual
※写真はイメージです

「こんな夫婦でありたい」と、記念日にワインでも飲みながら夫婦で話せたらいいけれど、家事・育児・仕事に翻弄ほんろうされていて、そんな余裕なんてない。「日々の生活に追われていて、子どものこと以外話すことなんて特にない。2人で何話そう?」と思っている夫婦もたくさんいますよね。そんな時期は、お互いの情報を収集する「モラトリアム」だと考えればいいのです。

尾石晴『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
尾石晴『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

【夫婦のモラトリアム的過ごし方】
・石は言葉にしてみる(違和感やズレは、とりあえず書いて外に出す、ためない)。
・時々石を取り除く(夫婦で移動中や週末に一番気になっていることを話してみる、LINEで伝えてみる)。
・壁を巨大化させないための情報収集をする(例:お互いの両親の好きなところ、嫌いなところを紹介し合う。お互いの理想の夫婦像がよくわかる)。
・「子どもが巣立った後、どんな夫婦でいたいのか」を、今はストレートに話せなくてもいい。だって、モラトリアムだから。

なるべく壁を巨大化させない、石を増やさないことに目を向ける。とりあえずそこに集中すればいいと考えると、少し気が楽になりませんか?

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