疲れがたまったら休日に「おうち入院」を

体の疲れはもちろん、心の疲れをとるのも、まずは睡眠が何よりも大切です。

眠ることによって、脳の中では必要のない情報がお掃除され、覚えておくべきものとそうでないものが整理されるので、データが軽くなりスムーズに脳が活動できるようになると言われています。現実に多くの人とカウンセリングなどで接していても、疲労からの復活には睡眠が一番効果的だと実感しています。

できれば、3日ほど休みをとること。そうすれば、疲労の借金を効果的に返すことができるでしょう。難しければ、1日でもいいです。

とにかく眠れるだけ眠ることを意識してください。あとは食事も運動も気にしなくてけっこう。これを私は、「おうち入院」と呼んでいます。

おうち入院の一番のメリットは、昼に眠れること。疲労の第2段階になると不眠の症状が出て、夜に眠りにくくなります。翌日仕事だと、朝寝坊もできません。休みが3日間あると、真ん中の1日は、とことん睡眠をとり、だらだらと過ごせます。

病院ではなく、家でこれをやるので「おうち入院」というわけです。疲れがたまってきたら、休日に1日でもいいので睡眠重視の「おうち入院」を試してみてください。

月曜午前の半休だけでもゆとりができる

しかし、忙しくてたった1日の休みを確保するのも難しいという人もいるでしょう。子育てをしている人は、「土日は休みだけど子どもの世話がある」場合もあります。

下園壮太『50歳からの心の疲れをとる習慣』(日経BP)
下園壮太『50歳からの心の疲れをとる習慣』(日経BP)

私自身、自衛隊に所属していたときは、土日にも講演や講義の仕事が入っていた時期があり、その頃は「おうち入院」は不可能でした。それでも、なんとか工夫して休まないといけないな、と思っていました。

そこで、月曜の午前に半休をとることにしました。月曜の午前は、それほど重要なタスクはありませんでした。すると、月曜の朝はしっかり朝寝坊して、通勤ラッシュの時間を外してゆったり出勤できるようになりました。それだけで、自分の心にゆとりができたのです。

人によって1週間の忙しさの波は異なると思うので、いろいろと試行錯誤しながら効果的な休み方を探してみてください。ちょっと仕事に空きができそうなときに、午後を半休にしてジムに行ってみたり、気持ちのいい公園でお昼寝したり、などとやってみてはどうでしょうか。

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