「第3段階」へ落ちてしまう人の共通点

第2段階では、第1段階と違い、通常の休養では回復できません。2倍の時間をかけて疲労から回復しなければなりません。数日間、しっかり睡眠をとるとともに、栄養のあるものを食べ、激しいアクティビティは控えましょう。

そういった対処をとらずに疲労の第2段階の状態が長く続いてしまうと、やがて第3段階に落ちていきます。第3段階になると、これまでとは別人のように動けなくなり、それはそれでつらいのですが、波自体は収まります。というのも、落ちている気持ちを上げるエネルギーがもはやないからです。

紙で表現したうつ状態の人
写真=iStock.com/tadamichi
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ですから、気持ちの波が出てきたときは、第3段階に落ちる前に気づき、休んで疲労を回復させなければなりません。

疲労の第2段階でしっかり休まずに、第3段階へと落ちてしまう人には特徴があります。それは、性格が真面目で、「こうあるべき」という思い込みがあり、第2段階で気持ちの波があると、その原因を追求して、克服しようとしてしまうタイプの人です。

気持ちの波があるのは、「自分の性格が弱いから」「能力がないから」「責任感がないから」などと原因を決めつけ、自分を責めるのです。

「対策」をとろうとすると余計に疲れる

そして今度は、その原因を解決するための「対策」をとろうとします。責任感がない、アイデアが出ない自分を変えるために、役に立ちそうな本を読んだり、セミナーに参加したり、体を鍛えるためにジムに入会したりします。

でも、エネルギーが落ちて疲労の第2段階にある人がそんなことをしたらどうなるでしょうか? エネルギーはもっと低下し、やがて第3段階へと落ちてしまいます。

気持ちの波があるのは、疲労の第2段階にある証拠です。それでも「いや、自分はそんなに疲れていない」と思ってしまう人は、スケジュール帳を開いて直近まであなた自身にかかっていたストレスをチェックしてみてください。

ハードな仕事、クレーム対応、気を使う人間関係……。仕事だけでなく、家庭の問題、環境の変化、不安や気疲れ、天候の不順、長時間の移動、ちょっとした事件や災害……。先週や先々週だって、あるいは数カ月前から、ハードな案件が続いていたことに気づくかもしれません。

しかも、疲労は遅れてやってくることが多いのです。疲労がたまりすぎる前に、しっかりと休息をとりましょう。