普段のあいさつや声がけが重要
そこで大切になるなのが、あいさつや声がけです。時々、部下がいるのに気付いていながら、部下からあいさつされるまで何も言わない上司がいます。でも、部下であろうが上司であろうが、先に気付いたらすぐにあいさつするのを当たり前にしてください。また、部下に何かを頼むときも、仏頂面でそっけなく頼むのではなく、しっかり目を見て「申し訳ないけどお願い」など丁寧に伝え、お礼もちゃんとするようにします。こうした小さな積み重ねが、上司・部下の信頼関係構築につながり、評価を伝える際にも効いてきます。
改善を促すときに抑えるべきポイント
褒め方も難しいですが、もっと難しいのは改善を促すときでしょう。ポイントは6つあります。
ポイント① 最初に結論を言う
改善を促すということは、相手の弱いところ、悪いところを指摘するわけなので、言いにくく感じて遠まわしに長々と話してしまいがちです。しかし、前置きからダラダラ話されると、聞いている側は、「結局何が言いたいのか」とイライラします。特に、タイパ(タイムパフォーマンス)を気にする若手は迷惑がります。単刀直入に、改善すべき点を指摘するようにしましょう。
ポイント② 一言前置きの枕ことばを
ポイント①では、「単刀直入に結論から話す」と言いましたが、最初に短い前置きの枕ことばを入れるとよいでしょう。「次に失敗してほしくないから、ひとこと言わせてもらうけど」などはお勧めです。
そうすれば、相手は「何か改善点を指摘されるんだな」という心の準備ができる一方で、「私のためを思って言ってくれているんだな」と、厳しい指摘であっても受け入れる気持ちになりやすくなります。
前置きは、相手のためを思って言っているのだということを、あくまでも短く伝えてください。つい前置きが長くなりがちですが、そうすると聞き手は「もういいから早く言って!」とイライラしてしまいます。
改善点を指摘する際のテクニックとして、「褒める」「厳しい指摘をする」「褒める」と、「弱み」を「強み」でサンドイッチする順番で話すと、後味よく終われるので良いとされています。しかし、この話し方は、どうしても取り繕った感が出てしまい、受け取る側は「まどろっこしい」「わざとらしい」と感じることが多いようです。万能なテクニックではないので、気を付けたほうがよいでしょう。